赤穂ブログ
木造の浴場
- 2014/03/16(日) 祥吉で楽しむ赤穂温泉と露天風呂
祥吉のお風呂棟は、創業の時に新築した物。
今から13年ほど前に建てられた物です。
夢乃井、夕やけこやけはじめ、夢乃井グループ全ての設計をお願いしているのは、設計士の永井先生。
かれこれ20年以上のお付き合いです。
全てにおいて、私達の思いを形にして頂ける尊敬すべき設計士さんです。
その永井先生が、祥吉の改装を手がけて頂いた13年前、浴場棟の図面を見て私達はちょっと戸惑いました。
「浴場棟は、木造で行きます!」
先生からの一言に、
「木造は管理が大変じゃないですか・・・?」
今まで大型旅館を運営していた私達にとって、木造の建物は、管理のし難い古びた建築法だと思っていました。
でも、そう答えた私達の考えより先生の想像は、私達よりずっと先を見ておられました。
運営を始めてからのお風呂等の雰囲気は、ある種独特で、昼と夜の雰囲気が一気に変わる不思議な空間でした。
木造の持つ魅力に取り付かれた瞬間でした。
私が唯一尊敬する、とある旅館の社長様からも、
「宿屋の雰囲気は木造をどう上手く歳を取らせて色気のあるものにするかだよ」
そんな事を教えてもらった私にとって、祥吉の浴場は大切に歳を取らせる対象物へと変わっていきました。
しかし、木造の建物は鉄筋のそれと比べると、劣化が早い。
水場である以上、メンテが中々大変です。
特に木部のメンテナンスには、かなりの費用と時間が掛かってしまいます。
そんな事を色々悩んでいるとき、とある旅館の木造りの浴場で見かけたのは、乾燥機。
「乾燥機を付けるだけでこんなに快適に、木部を綺麗な状態に保つ事が出来る!」
祥吉に採用しない訳に行かないほどの理想的な装置だと思いました。
早速に、メーカーさんと色々と打ち合わせ。
この冬に合わせて、取り付けてみました。
お風呂の湿気が一気に取れて、想像以上の効果でした。
木造の浴場は、これからきっと良いアジと色気が出てくる事と毎日楽しみながらお風呂を眺めています。
現代建築風に新しいお風呂が、次々と建てられるのですが、私は永井先生の当時の考え方が祥吉には合っていたのだとしみじみ感じています。
木造の持つ優しい空気と湯浴みを楽しめる祥吉のお風呂はちょっと特別です。
いつもより、長湯を楽しんでのんびりお過ごし下さい。