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日本人の座の原点は、畳だと思っています。
座布団がそれを補完する物として今でも使われている事からも、畳で寛ぐことが日本人にとって大事な癒しの一つであると感じています。
であるからこそ、畳文化の残る旅館の役割は大きいと自分自身に言い聞かせている毎日です。

でも、今の日本のライフスタイルと畳の空間はいまいちマッチしていないと相反する現実にちょっと迷いが生じる事も事実です。
最近のインテリアの雑誌を眺めていてもその空間に日本的なものの雰囲気がなくなってきていると感じています。

しかし、旅館である以上畳のある和室を変える訳にはいきません。
また、畳文化の癒し効果は絶対高いと私は信じています。

でも、座布団と座椅子で長時間座っているとやっぱり疲れてしまう。
畳の空間を使って今のライフスタイルに合わせるには、と日々工夫を重ねています。

一つの答えとして持っているのは、和室に入れる椅子の高さを調節するという事。
「地面に近く、目線の気にならず・・・」
この微妙な調節を日々繰り返しています。
先日、届いた椅子の座面の高さは25センチ。
大人が足をおろしてゆっくり座れるぎりぎりの高さだと思います。
この座面高で作った椅子は、目線の気にならず上手く収まったと思っています。

座面の低い椅子で、畳ずりを付ける事、そして格子の感じを出す事、木目が綺麗に見える事、そして祥吉のオリジナルである事が私達の椅子選びのポイントで、お部屋にはこの条件で選ばれた椅子が色んな場所に置かれています。
そして、今年もこんな感覚でお部屋の雰囲気を変えていこうと思っています。
それが祥吉の空気感になれば、尚一層嬉しいと思っています。

今年は、その椅子達を販売してみていはどうかと色々と販売方法を考えています。
特注椅子なので、完成するまでの相当な時間がかかりますが、私達のこだわりに共鳴してもらえる人はきっとおられる筈だと思っています。

日本人のためのちょっと低めの椅子。
畳のお部屋の景色が変わると思いませんか?
そこに座ると瀬戸内の海がちょっと近くなったと感じれると思います。

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