赤穂ブログ
本日は、先日ご紹介した香川県庁旧本館の内部について記しておきます。
まず目に飛び込んでくるのは猪熊弦一郎氏のアート作品、茶道の心得「和敬清寂」を現したアート作品です。
入口周りの雰囲気を作り上げつつ、構造上の制約から壁になる部分を活用されています。
この作品がある背後には、日本庭園が広がります。自然光が入り込み、建設当時から市民に開かれた場所として親しまれて来た事が伺えます。
この作品の裏に回り込むと、階数表示がありこのフォントすらデザイン性があって、当時の物とは思えないほどモダンですね。当時の県知事は、建築やアートに造詣が深ったからこそここまで細部にもこだわれたのでしょうね。
そして、それぞれの柱をよく見ると、至る所に木目や木の節を確認する事ができます。当時の型枠の木の模様がそのまま残っているもので、これが返って鉄筋の建物が日本風なものなのだと感じる所以にもなっています。
建物手前に広がるピロティの大空間にかかる階段も、その造形が素晴らしく、石のオブジェとその先に見える内部との調和が何とも素敵です。
この建物が、60年以上も前に計画され、そして現在になってもその価値が揺るがないのは、本当に貴重だと感じた次第です。
コロナの騒動前は、館内ツアーもあったと聞いていますが、今はそれも無くなっているらしくちょっと残念に思っていますが、また伺ってもっとじっくりと見てみたいと感じた場所でした。